お酒が好きな人なら、自分でお酒を作ってみたいなと思ったことがあるでしょう。

実際自分で作ったお酒で晩酌なんてのはなかなかオツな話ですよね。

ですが、日本には酒税法という法律があり、勝手にお酒を作ることは禁止されているんです・・・

しかし例外もありますので、その法規制をしっかりと理解した状態でいざお酒作りを始めてみませんか?

そもそも酒税法とは?

酒税法で合法とされるお酒

(課税物件) 第一条 酒類には、この法律により、酒税を課する。 (酒類の定義及び種類) 第二条 この法律において「酒類」とは、アルコール分一度以上の飲料(薄めてアルコール分一度以上の飲料とすることができるもの(アルコール分が九十度以上のアルコールのうち、第七条第一項の規定による酒類の製造免許を受けた者が酒類の原料として当該製造免許を受けた製造場において製造するもの以外のものを除く。)又は溶解してアルコール分一度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含む。)をいう。

e-GOV 酒税法より

つまり、アルコール1%以上のものは全てお酒であり、税金がかかるということですね。

第七条 酒類を製造しようとする者は、政令で定める手続により、製造しようとする酒類の品目(第三条第七号から第二十三号までに掲げる酒類の区分をいう。以下同じ。)別に、製造場ごとに、その製造場の所在地の所轄税務署長の免許(以下「製造免許」という。)を受けなければならない。ただし、酒類の製造免許を受けた者(以下「酒類製造者」という。)が、その製造免許を受けた製造場において当該酒類の原料とするため製造する酒類については、この限りでない。 e-GOV 酒税法より

そして、こうしたお酒を作るのは、上記の通り製造免許が必要になり、最低製造量などの問題からこの免許を個人が取ることは不可能なので、

基本的には、無免許でお酒を作る行為は違法だ、ということが定められています。

さらに、

「市販のお酒に、何らかの食品を混ぜること」も「新たなお酒を作ること」だとみなされているので、下手を打てばカクテルも密造酒になってしまうというわけです。

第九条 酒類の販売業又は販売の代理業若しくは媒介業(以下「販売業」と総称する。)をしようとする者は、政令で定める手続により、販売場(継続して販売業をする場所をいう。以下同じ。)ごとにその販売場の所在地(販売場を設けない場合には、住所地)の所轄税務署長の免許(以下「販売業免許」という。)を受けなければならない。

e-GOV 酒税法より

そうしてもう一つ大事な条項がこちらの「販売してははいけない」ということ。

こちらはありとあらゆる自家製のお酒に当てはまる基本事項なので、自分でお酒を作った場合は決して販売しない。これだけは守りましょう。

販売と個人消費の境目について

六 酒税法第四十三条第十一項に規定する「消費者が自ら消費する」とは、同居の親族が消費することを含むとの解釈があるようだが、これは妥当だと考えるか。また、これ以外の解釈はあるのか。

七 家庭内で年間に数リットル程度を作る果実酒は国民に広く浸透していると思われる上、消費者が自ら消費する以外にも、親類、知り合い同士で、善意の贈答行為が日常的に行われていると推測されるが、酒税法第四十三条第十一項に規定する範囲だけが、みなし醸造の適用除外というのは国民生活の現実とは乖離した規定であると思うが、如何か。

八 仮に、「国民生活の現実と乖離していない」との見解であるなら、家庭でいわゆる「果実酒」を作り、知人などと贈答しあう場合も、醸造免許が必要だと解すべきか。

答弁

酒税法(昭和二十八年法律第六号)においては、酒類に他の物品を混和することにより、適用される税率が異なる酒類に該当することとなる場合も想定されるため、税負担の公平性や酒税収入の確保の観点から、酒類に他の物品を混和する行為も原則として酒類の製造とみなし、酒類の製造免許を受けなければならないこととしている。

しかしながら、同法第四十三条第十一項において、「政令で定めるところにより、酒類の消費者が自ら消費するため酒類と他の物品(酒類を除く。)との混和をする場合」には、酒類の製造とはみなさないこととしており、この場合には、酒類の製造免許を受ける必要はない。

また、同条第十二項において、同条第十一項の適用を受けた酒類は、販売してはならないこととしているが、当該酒類を無償で知人等に提供することは、同条第十二項に規定する販売には当たらず、同項の規定に違反するものではないと考えている。

第166回国会 389 酒税法に関する質問主意書

第166回国会 389 酒税法に関する質問主意書によれば

知人に合法で作ったお酒を無償提供することは合法だそうです。

お金を取らなければ大丈夫ということですね。

酒税法が定める、自宅で作ってもいいお酒とは?

では、完全に自家製のお酒は禁止なのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。

合法的に作れるお酒の条件は全部で5つあります。

材料とアルコール度数について

合法で作れる自家製のお酒については、国税庁がホームページで紹介しているこちらの質問にて3つの条件が提示されています。

Q1 消費者が自宅で梅酒を作ることに問題はありますか。

A 焼酎等に梅等を漬けて梅酒等を作る行為は、酒類と他の物品を混和し、その混和後のものが酒類であるため、新たに酒類を製造したものとみなされますが、消費者が自分で飲むために酒類(アルコール分20度以上のもので、かつ、酒税が課税済みのものに限ります。)に次の物品以外のものを混和する場合には、例外的に製造行為としないこととしています。

また、この規定は、消費者が自ら飲むための酒類についての規定であることから、この酒類を販売してはならないこととされています。

1 米、麦、あわ、とうもろこし、こうりゃん、きび、ひえ若しくはでん粉又はこれらのこうじ

2 ぶどう(やまぶどうを含みます。)

3 アミノ酸若しくはその塩類、ビタミン類、核酸分解物若しくはその塩類、有機酸若しくはその塩類、無機塩類、色素、香料又は酒類のかす

国税庁 お酒に関するQ&A 【自家醸造】

つまり、

  • アルコール度数が20%以上
  • ビールや日本酒の元となるお米や麦を使わない
  • ワインの元となるぶどうを使わない

酒税法を守るには、この3つの条件が大事になってきます。

つまり、アルコール度数の高い果実酒などを使っていれば問題ない、ということですね。

そしてこれまでの説明の中に、条件はもう一つ出てきていますが気づきましたか?

それはアルコール度数を1%以下に抑える、ということ。

もう水じゃないか・・・という言葉も聞こえてきますが、
市販のビール作りキットなどは、完成品のアルコール度数を1%以下にするという前提のもとで売られていますので、これも立派な自家製お酒作りと言えますね。

カクテルについて

酒税法43⑩抜粋 消費の直前において酒類と他の物品(酒類を含む。)との混和をする場合で政令で定めるときについては、適用しない。

e-GOV 酒税法より

こちらの条文に定められている通り、飲む直前にお酒同士を混ぜ合わせることは合法です。

ということで、カクテルを家で作るのはセーフ、というわけですね。良かったです。

ただサングリアなどお酒を混ぜて浸け置いてしまうものに関しては、消費の直前とは言えないので、アルコール度数が20%を超えないと違法となってしまいます。

ネット上などには、明らかにアルコール度数の低いサングリアのレシピなどがありますが、いつ規制が入るかわからない非常にグレーなレシピと言えます。気をつけてください。

まとめ

酒税法を守って、楽しい自家製お酒作りを!

今までの話を全てまとめると、酒税法に照らして合法な範囲のお酒作りとは

飲む直前にカクテルを作る

または

アルコール度数20%以上のお酒をベースに

ぶどうやお米、麦を使うワイン・日本酒・ビールなどを一切入れずに作る

または

アルコール度数を1%以下に抑える

のいずれかを満たした上で、

一切販売しない

ことを遵守すれば合法でお酒作りを楽しめます。

つまり、梅酒やその他果実酒・カクテルは合法にすることができます。

このことをしっかりと頭に入れた上で

自家製お酒作りを楽しんでいきましょう

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