「まだだ、まだ終われない。」

日々、喧騒の中で闘っているうちに感覚が鈍ってくる。

闘いの最前線から退くことに対する罪悪感に苦しむ。

みんな闘っているのだから。私も闘わなくては。

社会という名の戦争の最深部に、盲目のままに近づいていく。

ふと我に返った瞬間には、もう、自力では戻れない。

新年度が始まってから、絶え間なく押し寄せる変化の波にもまれてはや一か月。

まれに見る、10連休という特大のGWで一度気持ちのリフレッシュができた。

しかしその一方で、四月を乗り切ったどこか我武者羅な心を切らしてしまった側面もあるのではないだろうか。

重い心で仕事へ向かう。毎朝のことを想像するだけでブルーな気持ちになる。

こんなことなら、休みなんてない方がよかった。ここまで極端ではないにしろ、そういうことを思う人も多いと思う。

しかし、よく考えてみて欲しい。

その反応は正常だ。

社会の荒波に飲まれている”社会人”から自分という”一人間”に戻った証である。

だからこそその感情を忘れないでいて欲しい。

その感情が鈍ってきた時、もしかしたらそれは黄色信号かもしれない。

”慣れる”という感覚と”自分を押し殺す”感覚は、混同しやすいのだ。

今がチャンス。

我に返った今、”自分を押し殺す”前に足を止めて、この先を読み進めて欲しい。

”分かり合う必要性”

社会人の皆様、本日も本当にご苦労様です。お疲れの出ませんように。

そんなことを言ったとしても、社会に囚われてしまった方の心には何も響かないのかもしれない。

むしろ、罪悪感を深めてしまうのかも。

そうなってしまったらもう、自分を客観視できるほど冷静ではないだろう。

何が自分をそうさせてしまっているのか、人によっては違うかもしれないが、一つの答えを提示したいと思う。

その答えは「磁石」にある。

誰もが理科の実験で使ったことがあるだろう。

磁石はS極とN極から構成される。

S極とN極はお互いに引き合う一方、S極とS極、N極とN極はお互いに反発し合う。

今皆さんが闘っているのは自分と同じ極の人や概念。

力ずくでくっつけることはできるが、かなりの力が必要である。そして、ずっとくっつけておこうと思ったらなおさら。

それが貴方の今の状況である。

”本来分かり合えないもの”が”分かり合う必要性”を強要されている。

"分かり合う必要性"という目に見えない暗黙の概念に縛られ続けているのだ。

”分かり合いたい”と思えていれば何も問題はないだろう。

しかし、今自分の周りに、心から”分かり合いたい”と思える人がどれだけいるだろうか。

納得できる概念がどれだけあるだろうか。

新年度になり、新しい環境、新しい人間関係に中で闘っている方は特に、自分に聞いてみて欲しい。

そして同時に、毎日の生活を振り返ってみて欲しい。

同僚との会話で気を使い、唇をなめる。

上司に声を掛けられて委縮して、唇をなめる。

プレゼン中に言葉を選びながら、唇をなめる。

なめて乾いてしまった唇を潤わせようと、唇をなめる。

「唇をなめる」という行為は、科学的には不安やストレスによる負担を表しているという。

自覚のない方も一度、自分も唇を確かめてみて欲しい。

もし荒れていたらそれは、それだけストレスの雨に降られ続けているという証拠である。

傷を癒す。

唇は荒れると、皮が剥けたり、ひりひりしたり、ひどい場合は血も出てくる。

唇は一番分かりやすく、日々降りかかってくるストレスや負担が表出する。

しかし、よく考えてみて欲しい。

唇に傷として現れる前に、心はそれ以上の傷を負っているはずなのだ。

心が限界に達したら、人間が終わる。

しかし、本当に心に余裕がない人ほど、抜本的な心の傷の解決方法は響きにくいものだ。

だからこそ今回は、小さなアクションが与える小さな可能性について書きたい。

例えば、女性がリップを所持しているのは、世間的に当たり前のこととして認知されている。

一方、男性がリップを所持している場合、当たり前ではなく美意識のある人と捉えられることが多い。

ここで言いたいことは、男性がリップを持っていることは当たり前だとは思われていない。

つまり、リップを使う男性自身も当たり前のことだとは認識していないのだ。

当たり前の自然な行動ではなく、意識的に行う行動というところに価値がある。

リップを塗れば当たり前のこととして、唇の傷は治る。

しかしそれ以上に、リップを塗っているその瞬間、一瞬でも自分に意識が向く。

その一瞬の刹那が、時間の何倍もの価値を持つのだ。

戦場で、ふと我に返るきっかけを与えてくれる。

なりふり構わない自分から、人間の”私”に戻る。

筆者自身リップを持ち歩いているが、塗る時に一瞬、確かに仕事から意識が逸れるのだ。

騙されたと思って、明日から試してみて欲しい。

”分かり合わない必要性”

せっかく生まれた、”分かり合う必要性”から抜け出す意思を、その物理的な障壁で妨げたくない。

どんなリップがいいかと聞かれたら、「正直全部同じ」である。

リップの質はあまり変わらない。女性用を男性が使っても何の問題もない。

そして何よりも「リップであること自体」に価値がある。

しかし、あえて一つ進めるとしたら「NIVEAのディープモイスチャーリップ(無香料)」をお勧めする。

一番オーソドックスであり、どこにでも売っている。筆者が使用しているのもこれだ。

そして最後に一言だけ添える。

読者の皆さんには、”分かり合わない必要性”の存在に気付いてほしい。

「あなたはあなた以外の何者でもない」

ありきたりな言葉だが、これが生きていくことの神髄だ。

”私”をどう作るのか、保つのか、それを決めるべきは自分自身である。

”分かり合う必要性”が全くないとは言えない。しかし、その必要性に振り回されるのは絶対に間違っている。

そして同時に、”分かり合わない必要性”はもっと重要なものである。

過ぎるかなと思うくらい自己中に。自分を大切に。

傷を癒すために、唇に”私”をのせて。

おすすめの記事