「あの人が何を考えているか知りたい…」

誰しもが抱いたことのある願望ですよね。

しかし、本格的に心理学を学んだところで他人の心の全てを知り尽くすことなど不可能でしょう。

であるならば「心理学」など役に立たないのではないか?

いや、そんなことはありません。

みなさんは「吊り橋効果」をご存知でしょうか?

おそらくほとんどの方が知っている、あるいは聞いたことがあると思います。

「吊り橋効果」とは恐怖を共に体験した人に対して恋愛感情を持ちやすくなる心理効果のことです。

この「吊り橋効果」を日常の場面において応用することを考えた方も多いと思います。

気になる人と一緒にお化け屋敷に入ったり、ジェットコースターに乗ったりといった形で。

今回はこの「吊り橋効果」のように日常生活においても生かすことのできる、もしくは知っていると自慢できる心理効果を紹介していきます。

人の心が完璧に読めないとしても日々を少しうまく生き抜くためのちょっとしたヒントを提供できれば幸いです。

単純接触効果

「単純接触効果」とは人やものなどを初めは好きでなくても、何回も会ったり、見たり、聞いたりするなど接触を繰り返すうちにだんだん好きになっていく現象のことです。

これも「吊り橋効果」同様に恋愛において役に立つテクニックですね。

しかもこの効果は人以外にも。

初めて聞いたときは微妙に思える曲でも何度か聞いているうちにはまったことはありませんか?

この現象も「単純接触効果」によるものです。

広告においてもCMの露出が多いほど、「単純接触効果」により魅力的な商品のように思われ、購買意欲が高まることもよくありますね。

「単純接触効果」は見たり聞いたりすることによって形成された潜在記憶が誤った印象評価を引き起こすことによって生じるようです。

しかし注意も必要。

それは初対面の時に形成された第一印象など、会って早い段階で不快感を抱かれた場合。

この場合は接触すればするほど悪い印象がさらに酷くなっていくと言われています。

ストーカーにいくら追い回されても、気持ち悪いとしか思わないですよね。

ヒューリスティック

続いては「ヒューリスティック」

これは人が意思決定をする際、無意識のうちに経験などに基づき簡単な法則や解法を用いることを指します。

「ヒューリスティック」によって行われた意思決定は必ずしも正しいわけではなく、思考の偏り、つまり「バイアス」を含んでいることが往々にしてあります。

「ヒューリスティック」は大きく3種に分けられるので、紹介していきます。

代表性ヒューリスティック

「代表性ヒューリスティック」とはある1つの典型的な事柄の起こる確率を過大評価してしまう「ヒューリスティック」のことを指します。

これだけ聞いても分かりにくいので具体例をあげると、金髪の人を見た時に、金髪=不良という典型的なイメージがあるために身構えてしまうことが挙げられます。

金髪だけでなくても、見た目のせいで敬遠していたが関わってみたら良い人だった。

もっと早くから仲良くしていれば良かった…ということもありますよね。

利用可能性ヒューリスティック

「利用可能性ヒューリスティック」とは発生頻度が高いため想起しやすい事柄を優先的に評価してしまう「ヒューリスティック」です。

有名な具体例としては、飛行機を必要以上に危険だと捉えてしまうことが挙げられます。

飛行機事故の方が自動車事故よりもテレビや新聞で報道されるために、実際は自動車の方が事故率が高いのに飛行機の方が危険だと無意識のうちに思ってしまいます。

係留と調整ヒューリスティック

「係留と調整ヒューリスティック」とは最終的な決断を下す時に最初に与えられた情報に無意識のうちに影響されてしまうことを指します。

係留とは、船が係留地点から動けないことと同様に最初に設定した考えから遠く離れることができないことを意味します。

例えば、フランスの人口を推測しなさい、と言われたとします。

事前に「ドイツは4000万人、イギリスは3000万人」という情報を提示される場合と、「ドイツは8000万人、イギリスは6000万人」という情報を提示された場合を考えると、フランスの人口を知らないほとんどの人の回答が提示された情報に左右されてしまいます。

ヒューリスティックの意義

そのデメリットが明かされた「ヒューリスティック」。

しかし、もちろん淘汰されずに発達してきた人類の機能ですのでメリットもあります。

それはエネルギー効率の向上。

人間は生活において多くの事柄を無意識のうちに行っています。

いちいち顔を洗う、歯磨きをするなどのルーティーンを考えながら行っていては頭がパンクしてしまいます。

何か重要な決定を行う時のみに自身の考えがヒューリスティックに影響されていないか意識することが大切ですね。

古典的条件付け

「古典的条件付け」とは2つの刺激を連合学習することで物事を予測するようになることです。

稲妻を見るとついつい身構えてしまいますよね。

この反応も稲妻とその後に鳴り響く雷鳴という2つの刺激を連合学習した結果。

またこの反応は人間だけでなく動物にも見られます。

皆さんの中には「パブロフの犬」という言葉を少しは耳にしたことがある方も多いと思います。

これはパブロフという学者が犬に対して「古典的条件付け」を確かめた実験。

犬に餌を与える時に毎回メトロノームを聞かせることを繰り返すと、犬はメトロノームの音を聞いただけで唾液を分泌するようになりました。

また、日常生活において柔軟に応用されるのがこの「古典的条件付け」。

例えば禁酒をしたい(もしくはしなければいけない)人がいたとします。

この人が酒を飲む時に必ず吐き気を催す薬を与え続けることで、なんと薬を与えなくても酒を飲むたびに吐き気を催すように…

このようにある刺激(酒)に対して不快な反応(吐き気)を連合することを特に「嫌悪条件付け」といいます。

また、逆に無害なのに不快だと感じてしまう刺激(例えばトラウマなど)に対して快い反応を連合することを「暴露療法」といいます。

どちらも医療現場で活用されていますね。

記憶について

続いては「記憶」についてです。

とても身近なテーマですがイマイチ掴みきれないところが多いはず。

突然ですが皆さんの覚えている限り一番古い記憶はいつ頃の記憶ですか?

ちなみに僕は4歳の頃に悪夢を見て、叫んで起きた記憶です(笑)

皆さんの中にも4,5歳ごろの記憶の人が多いでしょう。

それもそのはず、実は記憶を司る脳領域である海馬や前頭葉が3,4歳の頃は十分に発達しきっていないため4歳前の記憶はほとんど覚えていることはないそうです。

これを「幼児期健忘」と言います。

こういった記憶の豆知識についてあと4つ紹介していきます。

マジカルナンバー7

人間が瞬間的に記憶できる情報量は7±2個だと言われています。

このことを「マジカルナンバー7」言います。

368172

なら覚えることができても

2638267668261

を瞬時に覚えろと言われても無理な話ですね。

しかし同じ13桁の数字でも

1234000056780

なら覚えることができる人も多いですよね。

これは"1234"、”0000”、”5678”、”0”の4つのまとまりで覚えることができるからです。

この”1234”といった情報のまとまりを「チャンク」と言います。

一般的に短期記憶が優れている人の中にはこの「チャンク」をうまく使いこなしている方が多いようです。

レミニッセンスバンプ

「過去の経験を思い出せるだけ思い出してみてください。」

この時思い出される記憶は10~30代の出来事が多くなる現象を「レミニッセンスバンプ」と言います。

「レミニッセンスバンプ」が起こる理由は具体的には判明しておらず、有力な説が3つあります。

①10~30代のうちに初めて経験することが多いから。

②アイデンティティ形成の上で大事な時期であり、確立のために何度もリハーサルが行われ記憶が精緻化されるから。

③記憶能力の全盛期だから。

系列位置効果

「系列位置効果」とは順に提示された複数の事項を覚えていく時に、それらが提示された順番によって記憶の定着のしやすさが異なることです。

具体的には序盤と終盤のものをよく覚えていますが、それぞれのメカニクスは異なります。

序盤に提示されたものをよく覚えていることを「初頭効果」といい、最初に得られた情報は他の情報に妨げられることなく速やかに長期記憶に移動するために起こります。

終盤に提示された情報をよく覚えていることを「親近効果」といい、短期記憶に移動されすぐに再生できるために起こります。

英単語などを覚えるときに最初と最後に難しい単語を配置すると効果的ですね。

文脈依存記憶

文脈依存記憶とはある状況で物事を覚えたとすると、同じ状況に陥った時にその物事を思い出しやすくなることを指します。

日常生活における例としては、パソコンをデスクにおいてきたことを会議室で気付き、自分のデスクに向かう。

しかしデスクに着く前に誰かと雑談するなどしていると、いざデスクについたのに何をするために戻ってきたか忘れてしまう。

そして会議室に戻るとパソコンを取りに行かなければならなかったことを思い出す。

似たような経験をしたことのある人は多いと思います。

かつて水中または陸上で記憶させた上で、水中または陸上でその記憶を再生させる実験が行われました。

すると、水中で覚えた人は水中で再生する方が、陸上で覚えた人は陸上で再生する方が成績が良いことが示されましたのです。

また「文脈依存記憶」は実際に覚えた場所で記憶の再生を行わずとも、なんとその場所をイメージするだけで再生効率が上がることも知られています。

家で勉強したはずの事項が思い出せない…

そんな時は、その事項だけでなく記憶した時の気分や部屋の明るさ、温度などを思い出してみるといいですね。

まとめ

今回は知っていると日常生活において役立つ、自慢できる心理学の知識を紹介してきました。

初めて聞くものから、なんとなく知ってはいたけど詳しくは知らなかったものまで色々あったと思います。

「面白い!心理学についてもっと知りたい!」

「やっぱり心理学は胡散臭いな。」

色々な感想があると思いますが、奥が深い心理学の世界に少しでも興味を持っていただけたなら筆者としてはとても嬉しいです。

ぜひ今回紹介した知識を生かし、日々の生活を少しだけ豊かにしてみてませんか?

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